損害賠償命令制度について

被害者の負担が軽くなる

犯罪被害に遭われた方の多くは、その事件に多くの労力を割いて向き合っていることでしょう。
直接的な被害に巻き込まれると、警察の捜査や裁判などに出席することになり、もとの生活に戻るのもままならないという人も少なくありません。
今回は、そんな被害者の負担を減らしてくれる損害賠償命令制度について詳しく見ていきましょう。

損害賠償命令制度とは

刑事事件と民事事件はその性質を異にするものであることは皆さんもご存知だと思います。
刑事裁判は罪を犯した人物に罰を与えるべきかを判断する裁判であり、民事事件は原告と被告の間にある法的トラブルを解決するための裁判です。
しかし、刑事事件の場合には同じ内容の事件に対して民事裁判で損害賠償を求めるというケースがよく見られるのです。
これまでは、刑事事件と民事事件は別物という概念に則り、民事裁判を起こす際には個別の手続きや立証が不可欠でした。
同じ内容に関して二度手間ともとれる作業を被害者側に強いる状況を打破したのが損害賠償命令制度です。

 

 

 

刑事裁判中に申し立てが可能

損害賠償命令制度によって、刑事事件の弁論手続きが終了するまでの間に被害者側が民事裁判の手続きを申し立てることが可能になりました。
見逃せないポイントは、刑事事件を担当した裁判官がそのまま民事事件を担当してくれるという点です。
事実関係についてはすでに理解があるため、賠償の内容に関して数回の審理を経るだけで判決に漕ぎつけられます。
申し立てにかかる料金が一律二千円であるという点も被害者側の負担を少なくしている要因です。

適用可能な事件

損害賠償命令制度は適用可能な事件の様態が決まっています。
逮捕監禁や誘拐略取、故意の殺人やレイプなどが対象です。
これらの行為を含む犯罪や未遂事件も対象となり得ます。
ただし、交通事故などの過失によって他人を傷つけた事件については対象外だという点をご理解ください。

法律のプロフェッショナルと

刑事事件から民事事件に移行する際には、弁護士の手助けを借りることが必須といえます。
刑事であれば検察官が代理人となってくれますが、民事に関しては自分で弁護士を雇う必要が出てくるからです。
そのため、損害賠償命令制度を利用する際には、損害賠償に強い弁護士と相談のうえで裁判に臨むことをおすすめします。